1/26コインチェックでXEMを始めとした通貨が売買停止、出金停止となり、
緊急記者会見が行われました。
僕はAbemaTVNewsにてリアルタイムで視聴していました。
今回のXEM盗難事件の概要と所感を書き残しておきたいと思います。
この記事のもくじ
XEM盗難事件の概要
事象内容
コインチェックが保有しているNEMが不正に外部へ送金されました。
不十分なセキュリティー⑴「ホットウォレットの使用」
今回、XEMはより安全なコールドウォレットではなく、ホットウォレットで管理されていたことが証言されました。
以下はコインチェックの解説ページです。
記載の通り、「ビットコインの管理」と書いてあり、NEMについては言及されていませんが、
NEMに関しては全てホットウォレット管理だったんですね。
これでは安全性の確保が十分になされていたとは言えません。
不十分なセキュリティー⑵「マルチシグを未使用」
NEM推奨の「マルチシグ(秘密鍵の複数化)」を使用していなかった点も対応不十分な点ですね。
詳しくは以下のサイトで解説されています。
Multisig(マルチシグ)って何?|ビットコインダンジョン
和田社長は人的不足によってこれらの対応が間に合わなかったと発言しています。
対応日時
- 1月26日 02:57頃 :事象の発生
- 1月26日 11:25頃 :異常を検知
- 1月26日 12:07頃 :NEMの入金一時停止について告知
- 1月26日 12:38頃 :NEMの売買一時停止について告知
- 1月26日 12:52頃 :NEMの出金一時停止について告知
- 1月26日 16:33頃 :JPYを含め、全ての取扱通貨の出金一時停止について告知
- 1月26日 17:23頃 :BTC以外(オルトコイン)の売買の一時停止について告知
- 1月26日 18:50頃 :クレジットカード、ペイジー、コンビニ入金一時停止について告知
緊急記者会見
1月26日 22:30 よりAbemaTV等で緊急記者会見が開かれて、状況報告と質疑応答がありました。
積極的に発言していたのは取締役COOの大塚雄介氏、
代表取締役社長の和田晃一良氏は苦しそうな表情には同情の声も多かったですね。
※大塚取締役の発言の方が多かった理由として、
和田代表取締役が開発の統括なのに対して、
大塚氏が事業アライアンス・広報・マーケティング・ビジネス面を担当しているから、とのこと
補償対応
2018年1月28日、不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償方針が発表されました。
- 総額 : 5億2300万XEM
- 保有者数 : 約26万人
- 補償方法 : NEMの保有者全員に、日本円でコインチェックウォレットに返金
- 算出方法 : NEMの取扱高が国内外含め最も多いテックビューロ株式会社の運営する仮想通貨引所ZaifのXEM/JPYを参考に、出来高の加重平均を使って価格を算出
- 算出期間: 売買停止時(2018/01/26 12:09 日本時間)〜本リリース配信時(2018/01/27 23:00 日本時間)
- 補償金額: 88.549円×保有数
- 補償時期等 : 補償時期や手続きの方法に関しましては、現在検討中。返金原資については自己資金より実施
不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償方針について
加重平均とは
ここでいう算出期間内の価格を出来高を使って平均価格を算出することです。
盗まれた時点でのXEM価格との乖離
- 1月26日、XEMの盗難が起きた際のXEMは100円前後、
- 補償の発表により下落した価格を参考にして加重平均で算出した価格は88円強
- そして補償発表による高騰を受けて現在価格は110円前後
となっています。
補償が実施されることは、間違いなく喜ばしいことですが、
100円以上の価値があったXEMを、強制的に88.549円換算で日本円で返金される
となると、残念に思う被害者の気持ちはお察しいたします。。
nemで返してもらいたいです。
安値で買い取りとか、有りですか。
泣きそうです。。— カクニンズ【右側】 (@suika_earth) January 27, 2018
補償の時期はまだ未定ですが、遅くなればなるほど、
返金時点でのXEM価格との乖離が予想できますので
迅速に返金がなされることを願います。
まとめ
コインチェックの経営破綻、買収等が懸念されておりましたが、
結果的に自己資金での補償実施となり、営業継続となりました。
コインチェックは日本の仮想通貨普及を牽引してきた取引所ですので、
今後は、セキュリティを第一に改善し、
とても高額な手数料や、
それを知らずに購入してしまう人を減らすようなUIの改善も行って、営業継続を期待しています。
我々利用者ができることは、大きな金額はハードウェアウォレット、
ハードウェアウォレットを使うまでもない金額でもソフトウェアウォレットで管理した方が良い
ということですね。
それでもセルフGOX(自分で送金失敗し、失うこと)の危険がありますが…
一刻も早く、誰もが安全に使える送金システムが望まれます。